宝石を捨てて、石ころを買う、材木は百年たって一番強くなる

築百年の家にお住まいの方、おめでとうございます。
あなたの家の木材は『今が一番強くなっている』かも知れません。

『え~?』と思われる方が多いと思いますが、
木は伐採されてから百年ほど乾燥収縮を繰り返し、
強度が(引っ張り強度・圧縮強度共に)増すといわれています。

強度についてはその後、
『1000年以上経って製材した時の強さに戻る』そうです。

築40年の建物なんて、まだまだ『ひよっ子』ですね?

でも、我が日本では、材木が最も成熟する前に解体されてしまい、
その多くが産業廃棄物になってしまっているのです。

世界的に見ても、こんなに早く建て替えをする国は日本ぐらいです。

昔(といってもそんなに昔ではありませんが)は、古材といって、
一度使われた材木や、火災に遭った建物の材木を
『再利用』して建物が造られていました。

それだけ材木は貴重品で、有る意味『宝物』だったのです。

昔の人は、木その物の本質的な強さと、木の使い方(組合わせ方)で発揮される構造的な強さを知り尽くしていたようです。

『京都の清水寺』は、材木の寿命が来る前に、それを取り換えるよう計画されて建てられたそうです。

五重塔は、その構造が現代の東京スカイツリーに導入されています。

法隆寺なんて1300年以上の歴史がありますよね。

木は使い方によってはこんなに長くもつ物なのです。
材木は、宝物(宝石)だということがお分かりになったでしょうか?

そうはいっても木にも弱点はあります。

例えば、
・雨漏れが原因で腐る。
・シロアリ等の虫に食べられる。
・燃えちゃう。
などには弱いのです。

でも、火災に関しては、表面が先に炭化して中は大丈夫だったりするので古材として使われてきました。

水に関しても、木杭なんていうのもあるくらいで、
常時水につかっていれば腐らなかったりします。

昔の日本人は、木の性質を理解して適材適所で使うことにより、
長期にわたって使えるようにしてきました。

清水寺のように、材木の寿命に合わせてリフォームの計画を立てている事を聞きますと、いかに昔の日本人が計画性が有り、
物を無駄にせず大切にしてきたかが判ります。

しかし、今の日本人は、その事を忘れてしまっているようです。

悲しい気持ちになります。

ある外国の方が、日本の住宅が三十年程度で解体されることを知って、
『つぶやいた言葉』をご紹介しましょう。

『日本人は、宝石を捨てて、石ころを買っている』

つまり、伐採されてから乾燥を繰り返し、より強くなった
『宝物である材木』を処分して、
『それよりも弱い材木』を、お金を出して買うなんて、
『なんてもったいない(バカな)事をしているのだろう』という意味です。

今や日本人より、外国人の方のほうが、
『もったいない』の精神を受け継いでいるようですね。

『耐震補強が出来ない』、『お色直ししかできない』という理由で壊されてきたのであれば、これからは見直さなければいけないでしょう。

どうですか?少しは材木のことを見直して頂けましたでしょうか?

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