和室の天井を傷つけずに 天カセエアコンを設置する?

調査結果 【リフォーム住宅ドクター】の概略

1,築100年以上の平屋の古民家に、冷暖房設備を設置したいとの御相談を頂く。
歴史のある純和式の建物で、使われている材料も素晴らしいものであり、単純にルームエアコン等を設置するのではなく、高級料亭などにあるような天井からエアコンの吹き出しがあるだけのもの(天カセエアコン)を設置したいとのご要望であった。
天カセのエアコンを現状から設置するには天井板を下地から解体しなければ出来ないが、現状の天井材を探すのには時間もお金もかかるし、工事を行うにも養生が大変である。
襖一枚が80万円程度するらしいので、正直な話、手を出したくはない。
2,暖房の計画だけであれば床下の配管工事で済みそうであるが、昨今の気象状況に対応すべく冷房設備もぜひ設置してほしいというご要望はあきらめきれない様子であり、解決策がでないまま時間が過ぎてゆきました。
3,その後、建物に付随する玄関の設計不良による雨漏の対策工事を行うにあたり、ここ(建物の妻側の天井裏の壁)に穴をあけて、天井裏に作業用の通路を設置すれば天カセエアコンを設置できそうだというアイデアが浮かびました。
4,エアコン設置業者と棟梁に相談したところ、そのような工事は今までにやったことも、やったという話も聞いたことがないができないことはなさそうだという了解?を得ることができ、施主に計画を説明したところ、なんのためらいもなくご了解を得ることができ、工事を行う事となりました。
5,せっかくの冷気(暖気)が逃げてしまわないように、天井裏に敷きこまれている既存のグラスウールは100ミリ1枚なので、今回の工事で2重にすることにし、床も、虫なしリフォームの断熱仕様を施すことで、以前から困っていた床からの冷気も虫もシャットアウトできました。
穴をあけられた妻側の外壁は、外断熱で仕上がりました。
仕上がりは、後日のブログで報告する予定です。

調査時の写真

妻側の外壁に穴をあけ、天井裏に通路を設置する

天カセエアコンを2台設置、配管作業を行う

吹き出し部分の既存の天井の開口と補強は、素人では出来ないので棟梁にお願いする

Before 既存を痛めることなく、何とか完成いたしました。
が、仕上がってしまえばこの工事の大変さが、さっぱりわからない!