シロアリだけじゃない!重要な床下調査

床下調査って聞くと、皆さんどう思われるでしょうか?

なんか知らない人が突然やってきて、『今なら無料で床下の調査をします』

とか何とか言って床下にもぐって行き、『大変です、シロアリがいました』とか、『地震に弱い建物だから補強しましょう』なんて言われて
『法外なお金を請求される』と思う方が多いかもしれません。

実際、悪質な業者が多いのも事実です。

シロアリなんかいないのに、ポケットに忍ばせておいた死んだシロアリを見せて驚かせ、適当な仕事をして法外な金額を請求する業者や、

建物の構造に全く関係のない金物を使って『耐震補強しました』などと言って、騙す業者も実際にいるのです。

『屋根や外壁の塗装をしませんか?』なんて飛び込みで訪問してくる業者と同じで、決して相手にしてはいけません。

では、『本当の床下調査』ってどんなことをするか?
又、それによって何がわかるのでしょう。

床下調査項目として、
・床下の木材の状態確認。
・床下の木材の含水率の確認。
・金物の状態確認。
・地盤の湿気の確認。
・地盤の沈下の確認。
・基礎のクラックの確認。
・害虫の有無の確認。
・打診調査によるシロアリ等の被害の確認。
・蟻道の有無の確認。
・床下のゴミなどの確認。
等が挙げられます。

シロアリの調査だけではなく、このように様々な項目について調査をしているのです。

実際にシロアリ等の食害が確認された場合、その建物はもう使えないかと言うとそんなことはありません。

建物の土台や柱のほとんどに被害があれば別ですが、木造住宅の場合は、柱や土台・梁などの『材木を取り換えることで対処が可能』なのです。

材木を取り換えた後で、防虫処理を材木と土壌に行えば、
薬が効いている間は、ある程度シロアリ等の食害を防ぐ事が出来ます。

ほとんどの場合、シロアリは土の中に巣を作ります。

そして、蟻道というトンネルを造り、材木を食べに上がって来ます。

材木の中に巣を作ることはほとんどありません。

ちなみに、枯れた葉っぱ等はミミズ等の虫が食べることによって土にかえりますが、枯れた木はシロアリなどが食べることによって分解され、土に戻ります。

人間にとっては害虫かもしれませんが、自然界には無くてはならない存在です。家の材料である材木を、『枯れた木』と同じ扱いをするので困るのです。

シロアリ等の被害以外で、床下調査で確認された内容については、内容を精査して、しっかりとした対応をしなければいけません。

特に、『地盤の湿気と地盤の沈下が確認』された場合は特に注意しましょう。

まず、『地盤沈下の原因』が何なのかを確認しなくてはいけません。

新築当時の造成に問題があったが『今は収まっている』のか、それとも『現在も進行中』なのかの確認が必要です。

今現在、沈下が収まっているのでしたら、沈下によって影響が出たところを適切に処置してあげれば良いでしょう。

『欠陥住宅で床が傾いてしまい、床に置いたビー玉が勝手に転がる』なんて話を聞きます。

その原因の多くは、建物に起因するものではなく、『地盤沈下が原因』の場合がほとんどです。

また、地盤の湿気については、床下の風通しが悪くて湿気っているのであれば、床下換気扇を設置するなどの対応でもよいでしょうが、
地形的にミズ道ができている場合は厄介です。

材木に対して湿気は大敵です。
シロアリも湿気っている木は大好物です。
ミズ道によっては『地盤沈下の原因』になることも考えられます。

土が、少しずつ流されてしまうからなのです。

これらの現象については、建て替え(新築)する場合においても、しっかりとした対処をしておかないと、また同じ結果になってしまうことが考えられます。
表面に現象が現れていなければ、確認する事ができません。

建て替えするときに、事前調査を行わずに建物を解体し、更地にしてしまえばその土地が抱えている問題が判らなくなってしまうのです。

『新築の場合は基礎下に杭を打つから心配ない』などと言われて安心している場合ではありません。

いくら杭を打って建物が沈下しなくても、それに接続する給排水やガスなどの配管が、『地盤沈下の影響』を受けたとしたら困りますよね。

液状化現象の影響を受けた家のようになってしまう可能性が有るのです。

『いくら基礎がしっかりしていても、地盤に問題があればダメ』ということなのです。

『地盤を改良する事』は更地で無いと難しいので、
『建物を建てる前に処置をする』ことが非常に大切になるのです。

『既存の建物に悪影響を及ぼしている原因』をしっかり把握しておくことは、
『新築する際にも非常に役に立つ情報』になるのです。